南条 蓮

静かな風が吹き抜ける箱根の山道。誰もいない道路を、一台の電動バイクが走り抜けていく。――その瞬間、俺は悟った。これは『ゆるキャン△』じゃない。『終末ツーリング』第1話、「箱根」。穏やかなツーリングアニメの皮を被った、極上の“終末詩”だ。観光...

矛を握る音が、まだ耳に残っている。 『キングダム 第6シリーズ』がついに開幕――その第1話『秦の障壁』を観た瞬間、俺は思った。 これは“戦の物語”じゃない。 **「遺志が息づく瞬間」を描く、覚悟のアニメ**だ。 信が王騎の矛を継いだ。 その...

静寂の中に、恋がある。アニメ『顔に出ない柏田さんと顔に出る太田君』第1話を見終えた瞬間、俺の耳には“音楽”じゃなく“心臓の音”が鳴っていた。それは登場人物のものか、自分自身のものか分からない。ただ確かなのは――このアニメ、感情の動きを「沈黙...

『終末ツーリング』とは？ヨーコとアイリが旅する世界荒廃した日本列島。かつて賑わった街並みは沈黙し、生の音は風とエンジンの鼓動だけになった。その終末世界にたたずむのは、少女二人と一台のオフロードバイク──セロー。二人は、誰もいない世界を「走る...

世界が滅びたら、君はどのバイクで旅に出る？『終末ツーリング』の主人公が選んだのは、意外にも“セロー”だった。いや、これがただのバイクチョイスじゃない。バイク乗りから見ても「ガチでリアルすぎる」選択なんだ。本記事では、なぜ終末世界でセローが選...

深夜、ディズニープラスの再生ボタンを押した瞬間、俺の中の何かがざわめいた。タイトルロゴに映る「キャッツ♥アイ」の三文字。昭和の街灯の下で輝いていたあのロゴが、令和のスクリーンで再び息を吹き返した瞬間だった。そして第2話。その夜、俺はただアニ...

もしも人類が消えたら──俺たちがいつも走っている道路や、観光地の街並みはどう見えるんだろう。そんな妄想を全力で形にしたのが、バイク旅漫画『終末ツーリング』だ。荒廃した世界をセローで駆け抜ける少女たちの姿に、胸を撃ち抜かれたオタクもライダーも...

人類が消えた世界を二人の少女が旅する――アニメ『終末ツーリング』をネタバレ解説。なぜ滅んだのか、そして“最後の景色”が語った希望とは。

2025年夏、深夜アニメ界に大きな波紋を呼んだ『ぬきたし THE ANIMATION』が全11話で完結した。規制版・無修正版という異例の三段構えで突っ走り、SNSでは「ここまで攻めた深夜アニメは久々」と大きな話題になった。そして迎えた最終話...

カレーの湯気が画面から立ち上る。マグロ丼の赤身が、異様に艶めいて見える。気づけば俺の腹は鳴りっぱなしだった。――そう、第1話から『野原ひろし 昼メシの流儀』は全力で“飯の力”を見せつけてきたんだ。父ちゃん＝野原ひろしが、ただ昼メシを食べるだ...